昨年度から造船ブームに沸いた日本市場ですが、次なる銘柄として鉄道車両メーカーを検討しているところ。
鉄道車両製造が主たる会社となると日本車両製造(7102)と近畿車輛(7122)が対象となりますが、PBRが低く上値余地がありそうな近畿車輛に注目しています。
近畿車輛の2025年3月期の通期予想は、最終利益前期比97%減の100百万円です。
投資家の失望売りにより株価が大幅下落しました。
2025年3月期は最もコロナの影響を受ける年であるとの会社側は見解を示しています。
現在の近畿車輛の受注状況については次のとおりです。
2024年3月期(通期)
受注高 59,038百万円(前年同期比281.7%)
受注残高 124,978百万円(前年同期比117.2%)
2025年3月期第1四半期
受注高 6,305百万円(前年同期比38.6%)
受注残高 125,584百万円(前年同月比107.1%)
第一四半期の受注高が大幅に減っているのが気になります。
当期以降の売上に影響しそうな受注案件について、近畿車輛やクライアントの公表資料等を元にリスト化してみました。
新型一般車両(8A系)を導入
昭和40年代に製造した450両のうち必要数を置き換えるもの。
2024年10月から順次導入予定。
2024年度 48両(4両編成×12本)1両あたり約1.85億円(設計費除く)
2025年度 68両(4両編成×17本)
烏丸線に新型車両(20A)を導入
2021年度から2025年度までに9編成54両を置き換えるもの。
受注額 52.7億円(税抜)※本体及び艤装のみ 1両あたり約0.97億円
2024年度 第6編成運行開始(7月)、第7編成運行開始予定(3月)
2025年度 第8、9編成運行開始予定
東武アーバンクラインに新型車両(80000系)を導入
25編成125両(うち新造107両)を2025年春以降に順次導入。
(18編成については、1編成のうち4両を新造、1両は60000系を改修)
2024年度 5編成25両の車両製作を進める。
ハイブリット式ローカル車輛を導入
2025年12月に2編成4両を先行量産車を製作し、性能確認試験の後2026年度中に営業運転開始予定。
2030年度までに58両から70両を導入予定。
郊外電車(横河原線、高中線、郡中線)に導入する新型車両7000系を導入
2025年2月に2編成6両を導入。
2027年まで毎年2編成6両、3年間で合計6編成18両を導入予定
総事業費 39億円(2025年から2027年までの3年間の合計)
特急やくも用の新型車両(273系)を導入
2024年4月6日から11編成44両を運用開始
投資総額 160億円
これ以外にも海外子会社案件もあるし、新造以外の案件もあるはずなのですべての受注状況を網羅できないが、2025年3月期に売上計上できる案件が極端に少ないともいえないような気がします。
とはいえ、為替差益も剥落しそうなので警戒は必要ですが、今期計画の未達はないのではないかと考えています。むしろサプライズ期待です。
日銀利上げ後の株価急落から十分に値を戻していないため、PBRが0.34、配当利回りが3.15%となっています。
今年度は無理としても来年あたりからはしっかりした数字を出してくるのではないかと期待しています。
(注)本記事は投資を推奨するものではありません。
ぺーろん
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